話題沸騰中の漫画『ダンダダン』。その魅力の一つに、「ジョジョの奇妙な冒険」を彷彿とさせるオマージュ演出があることをご存じでしょうか?
この記事では、『ダンダダン』に登場するジョジョ風の構図、セリフ、演出を元ネタと照らし合わせて徹底的に比較・解説します。
どのシーンがどの作品の何話に対応しているのかも含めて紹介していきますので、ジョジョファンも『ダンダダン』ファンも必見です!
この記事で得られる情報
- 『ダンダダン』に登場するジョジョ的演出の元ネタ
- 構図・セリフ・効果音の具体的な比較と一致点
- 作中オマージュに込められた作家のリスペクト精神
ジョジョオマージュが確認できるダンダダンの名場面一覧

ジョジョオマージュが確認できるダンダダンの名場面を解説(イメージ画像)
『ダンダダン』には、「ジョジョの奇妙な冒険」を彷彿とさせる構図・セリフ・演出が随所に散りばめられています。
これらのオマージュは単なる模倣にとどまらず、作品世界に自然に溶け込んでおり、ファンの間でもたびたび話題になります。
ここでは、その中でも特に象徴的なシーンを元ネタと照らし合わせながら紹介していきます。
モモが叫ぶ「オラオラオラ!」の元ネタは空条承太郎
『ダンダダン』第1話から早速登場する名場面の一つが、モモが怪異に対して「オラオラオラ!」と連呼しながら連打を叩き込むシーンです。
このセリフは言うまでもなく、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の主人公・空条承太郎が、スタープラチナで敵を攻撃する際の決めゼリフと完全に一致します。
「オラオラ」という擬音を女性キャラが叫ぶことで、意図的にギャップを演出しつつも、圧倒的な強さを印象づける巧妙な演出となっています。
また、この場面の背景には集中線が走り、拳の動きが強調される構図も承太郎の攻撃シーンを彷彿とさせます。
このように、ただのパロディにとどまらず、読者の記憶に残る名場面を大胆に引用しながらも『ダンダダン』独自のテンポとキャラクター性を保っているのが特徴です。
ジョジョを知っている読者にとっては思わずニヤリとしてしまうポイントであり、新規読者にも強烈なインパクトを残します。
怪異とのバトル時の構図に見られる「決めポーズ」演出
『ダンダダン』のバトルシーンでは、登場人物が印象的なポーズを決める構図がたびたび登場します。
この演出はまさに、『ジョジョの奇妙な冒険』における「ジョジョ立ち」のようなポージングを彷彿とさせます。
特に、オカルンが怪異と対峙する際に腰を落とし、手を不自然な角度で構えるシーンは、ジョジョ第4部の東方仗助や第5部のジョルノ・ジョバァーナの戦闘構図に酷似しています。
このようなポージングは、単に視覚的な面白さだけでなく、「キャラの決意」や「これから戦闘が始まる緊張感」を象徴する役割を果たします。
読者の視線を誘導するダイナミックな構図や、極端なアングルからの描写なども含めて、まさにジョジョ的な演出美学が踏襲されていると言えるでしょう。
一方で『ダンダダン』では、そのポーズをあえてギャグ的な文脈でも活用しており、「かっこいい」と「おかしい」を絶妙に両立させたスタイルが特徴です。
これは、荒木飛呂彦作品に対するリスペクトとユーモアが融合した表現であり、『ダンダダン』の作家・龍幸伸氏の構図センスが光るポイントでもあります。
読者にとっては、「このポーズ、どこかで見たぞ?」と記憶を刺激される仕掛けになっており、作品間の文化的リンクとしても秀逸です。
セリフのオマージュ:ジョジョ名言との比較

セリフのオマージュ:ジョジョ名言との比較(イメージ画像)
『ダンダダン』では、印象的なセリフ回しにも「ジョジョっぽさ」が漂っています。
これは単なる模倣ではなく、緊迫した場面を盛り上げるための言語的演出として機能しています。
特に、怒り・正義・信念を表現するセリフにおいて、ジョジョシリーズの名言のエッセンスが巧みに取り込まれています。
「てめーはおれを怒らせた」→ジョルノの名台詞を彷彿
『ダンダダン』のバトル中、オカルンやモモが「てめーは、完全に俺を怒らせたな」と語気を強める場面があります。
このフレーズは、ジョジョ第5部のジョルノ・ジョバァーナが放った名セリフ「覚悟して来てる人間に、”てめーは俺を怒らせた”とか言ってはいけない」の構造と感情に非常に近いものです。
語調の強さと、静かな怒りが爆発する雰囲気は、まさにジョジョ節と言えるでしょう。
また、モモが冷静に「私は怒っている」と言い放つシーンも、ジョジョ第6部・空条徐倫が敵に対して淡々と怒りを表現する姿に重なります。
このようなセリフは、キャラの内面と感情の振れ幅を一言で表現できる効果的な手法として活用されています。
セリフに含まれるリズムや間の取り方、強調する語尾なども、荒木飛呂彦作品の影響を随所に感じさせるポイントです。
こうしたセリフオマージュは、作品に「熱さ」と「重み」を与える役割を果たしており、読者の感情を引き込む要素として機能しています。
「無駄無駄」系のセリフパターンと敵の吹き飛ばされ方
『ダンダダン』においても、「無駄無駄無駄ァッ!!」のような反復する攻撃時の掛け声が頻出します。
これはまさに、ジョジョの奇妙な冒険におけるディオやその系譜に連なるキャラクターの代名詞ともいえる「無駄無駄」ラッシュへのオマージュです。
オカルンや怪異が怒涛の連打を浴びせる際に、叫ぶように繰り返すセリフには、まさにその影響が色濃く表れています。
また、攻撃を受けた敵が「ズシャアッ!」と吹き飛ばされる際のコマ割りや動線の描き方も、ジョジョにおける「時間が止まったかのような演出」を意識していると感じます。
特に、背景を単色で塗りつぶし、集中線だけを際立たせる構図は、敵の動きを止める効果を生み出し、攻撃の激しさをより強調します。
さらに、倒された敵が壁や地面にめり込む描写も、『ジョジョ』第3部以降でよく見られる「大ゴマ演出」に通じるものがあります。
こうした「無駄無駄」系の演出は、読者のカタルシスを生む重要な役割を担っており、『ダンダダン』でもその使い方は非常に洗練されています。
ジョジョファンにとっては、懐かしさと新しさが混ざったユニークな体験として楽しめることでしょう。
演出・エフェクトの元ネタと類似性

演出・エフェクトの元ネタと類似性を解説(イメージ画像)
『ダンダダン』の魅力のひとつに、バトルや心理描写で多用される印象的なエフェクト表現があります。
特に背景処理や擬音、集中線の使い方には、ジョジョの奇妙な冒険に通じるテクニックが随所に見られます。
この項では、ビジュアルとしての「オマージュ」に焦点をあて、フォントや構図の類似性を比較していきます。
擬音のデザイン:ジョジョ風フォントの使い方
『ジョジョの奇妙な冒険』を語るうえで欠かせないのが、独自の擬音フォントです。
「ゴゴゴゴ」「ドドドド」など、文字そのものが空気感や緊張感を演出するデザインは、漫画表現の枠を超えた独自の芸術性を帯びています。
『ダンダダン』でも、場面の緊張を高めるときに背景に浮かび上がる擬音の使い方がジョジョと非常に近い印象を受けます。
特に、第7話でモモが精神的に追い詰められる場面では、背景に「ザワザワ…」「ジジジ…」といった擬音が浮かび上がり、空間全体の不穏さを視覚化しています。
これらの文字は単なる効果音ではなく、読者の感情を誘導する「空気の役割」を担っており、まさにジョジョ的手法です。
また、フォントの太さや傾斜、縦横の比率までが荒木飛呂彦作品への明確なオマージュと感じられます。
さらに、『ダンダダン』ではこれらの擬音をコミカルな場面でも巧みに応用し、緊張と緩和のメリハリを作る演出がなされています。
視覚的なリズム感と感情の高低を表現する道具として擬音を活用する点でも、ジョジョとの親和性は非常に高いです。
背後の集中線とポーズの組み合わせに注目
『ダンダダン』におけるバトルや覚醒シーンでは、キャラクターの背後に描かれる「集中線」と「決めポーズ」の組み合わせが際立ちます。
この演出は、ジョジョシリーズでも幾度となく使われてきた視覚的な強調表現であり、緊迫感やキャラクターの存在感を一層引き立てる技法です。
特にオカルンが変身し戦闘態勢に入る瞬間、腰を低く落とし拳を握る決めカットの背後には、放射状に広がる集中線が描かれています。
このシーンは、ジョジョ第2部でシーザーが波紋を構える場面や、第3部で承太郎がスタープラチナを呼び出す構図と非常に似ており、視線誘導と緊張感の演出において共通点が多く見られます。
また、集中線がキャラの周囲を包み込むように描かれることで、その場面だけが時間的にも空間的にも“切り取られた特別な瞬間”であることを印象づけています。
この技法は、読者の感情を一点に集中させる効果があり、場面のインパクトを飛躍的に高めます。
さらに、モモが呪力を解放する瞬間などでも、背景に爆発的な集中線と独特のポージングが組み合わされ、ジョジョ的な演出の粋を感じさせます。
こうした描写は、単なる様式美にとどまらず、キャラクターの覚悟や怒りといった心理描写を視覚的に訴える手段として確立されているのです。
構図の比較:シーンごとの元ネタ徹底検証

構図の比較:シーンごとの元ネタ徹底検証(イメージ画像)
『ダンダダン』と『ジョジョの奇妙な冒険』のオマージュ関係を語る上で、決定的な証拠とも言えるのが「構図の一致」です。
特に、キャラクターの立ち位置・アングル・背景処理において、ジョジョの名シーンを連想させるシンクロ率の高い描写が随所に確認されます。
ここでは、いくつかの代表的なシーンをピックアップし、ジョジョとの比較を通じてその一致性を検証します。
第5話 vs ジョジョ第3部 第12話:並べてみるとそっくり?
『ダンダダン』第5話で、モモがオカルンを庇いながら怪異に立ち向かうシーンでは、後方に相棒を背負い、片腕を前に突き出す構図が使用されています。
これは、ジョジョ第3部 第12話で承太郎が花京院を庇いながらスタンドを繰り出す場面と極めて近い構成です。
肩越しのカメラアングル・迫力ある手のクローズアップ・背後の集中線まで共通しており、明らかに意識された演出と考えられます。
また、場面のトーンやセリフ回し(「絶対に通さない」など)にもジョジョ特有の緊迫感が込められており、構図と心理描写のリンクが見事に再現されています。
このような構図の引用は、ファンにとって「記憶に残る瞬間をもう一度味わえる」楽しさを生み出し、作品の多層的な読み方を可能にしています。
一見すると偶然にも思える構図の一致ですが、その積み重ねこそがオマージュとしての説得力を裏付けているのです。
コマ割り・視線誘導の手法がジョジョを踏襲
『ダンダダン』の魅力は、キャラやセリフだけでなく、読者の視線を自然に誘導するコマ割りの巧みさにもあります。
特にバトルシーンでは、カットごとの変化やセリフの配置、そして視覚的リズムが、ジョジョシリーズの演出手法に酷似しています。
これは単なる偶然ではなく、荒木飛呂彦作品における「視線誘導の美学」を継承しつつ、『ダンダダン』独自のテンポに変換した結果といえるでしょう。
たとえば、敵と対峙する場面で、左上→中央→右下へと流れるように展開する構成は、ジョジョでも頻繁に使われる導線設計です。
さらに、途中で「静」のコマを一つ挟み、最後に「動」の爆発的アクションへ移る構成は、第5部でよく見られるリズムと非常に似ています。
この「緩急」の演出によって、読者の感情と視線が同時に動く感覚が生まれ、強烈な没入体験をもたらします。
また、コマの枠を超えてキャラの手や効果線が飛び出す演出も多く、空間を超える「勢い」を視覚化する手法はジョジョの象徴的演出のひとつです。
このように、『ダンダダン』はコマの中でいかに物語を動かすかという点でも、ジョジョ的構成の遺伝子を受け継いでいるのが明らかです。
オマージュでありながら、読みやすさやスピード感を損なわない調整力は、作者・龍幸伸氏の実力を物語っています。
ダンダダンのジョジョオマージュから見る作家のリスペクト精神

ダンダダンのジョジョオマージュから見る作家のリスペクト精神を解説(イメージ画像)
『ダンダダン』に散りばめられたジョジョの奇妙な冒険へのオマージュは、決して表面的な真似事ではありません。
むしろ、作品世界やキャラクターの感情表現に溶け込む形で緻密に配置されているのが特徴です。
その背景には、作家・龍幸伸氏の深いリスペクトと漫画的技法への理解があると読み取れます。
ただのパロディではない、構造的オマージュとは
多くの漫画作品が名作からのパロディやギャグ的引用を行いますが、『ダンダダン』の手法はそれとは一線を画します。
単に有名なセリフやポーズを借りるだけでなく、物語の流れ・キャラクターの立ち位置・読者への感情の伝え方そのものにジョジョの文法を応用しているのです。
たとえば、怒りの爆発、静から動への緊張の高まり、視線の誘導などは、ジョジョの構造美を解釈・変形した「構造的オマージュ」と呼ぶにふさわしいでしょう。
これは、読者に気づかれなくても成立する高度な技法であり、漫画としての完成度に直接的な影響を与えています。
気づく人には嬉しい、気づかなくても読後の満足感に繋がる——そういった設計思想が見て取れます。
このような作り込みは、一流作家にしかできないリスペクト表現であり、作品の質を高める要因にもなっています。
オマージュが物語の魅力を高める理由
『ダンダダン』におけるジョジョオマージュは、単なる“ファンサービス”の域を超え、物語そのものの魅力を底上げする効果を発揮しています。
なぜなら、それらの演出が読者の感情や記憶とリンクし、「懐かしさ」と「新しさ」の両方を同時に感じさせるハイブリッドな感動を生み出しているからです。
例えば、ジョジョのような大胆なセリフ回しや構図が出てくると、読者は一瞬で“漫画的テンション”を理解し、深く物語に没入できます。
また、そうした引用があることで、『ダンダダン』のキャラクターたちは、より「強く」「誇張された」存在として描かれ、物語全体に迫力と緊張感が宿ります。
それはまさに、荒木飛呂彦作品が長年かけて築いてきた漫画的リアリズムの応用でもあります。
この影響によって、『ダンダダン』の各シーンは「読んだ瞬間に脳裏に焼き付く」印象深さを獲得しているのです。
つまり、オマージュとは過去の引用ではなく、“物語をより面白く見せるための技法”として有効に機能しているということです。
そしてそれを活用できている『ダンダダン』は、まさに「新時代のジョジョイズム継承者」とも言える存在ではないでしょうか。
ダンダダン ジョジョ オマージュ 構図・セリフ・演出まとめ
『ダンダダン』にちりばめられたジョジョ的オマージュは、セリフ・構図・演出に至るまで幅広く、作品の面白さを何倍にも引き上げる仕掛けとなっています。
ジョジョを知らなくても十分楽しめますが、元ネタを知っていることで新たな気づきやニヤリとする瞬間が増えるという点も、本作の醍醐味です。
ここでは改めて、『ダンダダン』を「二重に楽しむ」ための視点を整理して締めくくります。
元ネタを知ることで二度楽しめるダンダダン
『ダンダダン』の魅力は、一見するとオリジナルに見える場面が、実は巧妙にジョジョの構造を借りているという点にあります。
これは、「あのシーンの元ネタってこれだったのか!」という再発見の連続であり、まさに二度、三度と楽しめる仕掛けです。
読み返すたびに新しい気づきがあり、オマージュの背景にある“創作の熱量”を感じられるのも大きな魅力です。
ジョジョファンにもおすすめしたい読み方とは
もしあなたがジョジョファンなら、『ダンダダン』は間違いなく刺さる作品です。
セリフのリズム、ポーズのダイナミズム、擬音の存在感、そして構図の美学——すべてにジョジョ魂が息づいています。
「どこにジョジョの影を見出せるか?」という視点で読むことで、作品に対する解像度が一気に高まります。
そして何より、『ダンダダン』はそのジョジョイズムを自分なりの表現へと昇華し、新しい漫画表現へと挑戦している点が素晴らしいのです。
ただのフォロワーではない、“令和のジョジョ的作品”としての立ち位置を、ぜひ体感してみてください。
この記事のポイント
- 『ダンダダン』に見られるジョジョのオマージュ表現を解説
- 構図やセリフ、演出における類似点を具体例で比較
- 「オラオラ」や「無駄無駄」などの代表的な引用を紹介
- 集中線や決めポーズの使い方がジョジョと酷似
- コマ割りや視線誘導にもジョジョの技法を踏襲
- オマージュは単なるパロディでなく構造的引用
- 作者のリスペクトが感じられる巧妙な演出
- 元ネタを知ることで『ダンダダン』がさらに楽しめる
- ジョジョファンにも刺さる構成と演出の妙
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